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【100プリ】Wistarian Diva

第20章 Op.20 Interval



(どうしよう……すごく可愛い)


ぼーっと見惚れてしまうルイに、レオナは首をかしげる。
すると
突然はっとなってそわそわしだした。

「どうしたの?」

そう尋ねると同時にルイは慌てていた理由に気付いた。

「あ、黒板忘れた?」

レオナはこくこく、と頷く。

「大丈夫、大体わかるから…レオナの言いたいこと」

安心させるようにルイはふっと微笑むと

「おいで?一緒に食べよう」


手招きして、テーブルへレオナをエスコートした。










ルイは公務以外の時間はなるべくレオナと一緒に過ごしていた。

ルイが仕事中は、ハワード邸の周辺を散策したり
部屋で休んでいたり

なるべく心身に負担のかからないような過ごし方を心がけていた。



そうやって過ごしていくうちに
ハワード邸に来て約1ヶ月の時が経った。








*********


「いくら君の頼みでもそれだけは許可できない」


ルイの執務室。

目の前にいるレオナに向かって
ルイは珍しく厳しい口調で言い放った。


「せっかく君の病状が落ち着いているのに、悪化するかもしれない」

「………」

レオナは眉根を寄せて少し俯くが
首を横に振ると
黒板に急いで文字を書き連ねる。

『私は大丈夫だから。一度だけ会ってきちんと話がしたい』

レオナの瞳がまっすぐルイを見つめる。


ルイは眉根を寄せ、言葉を探す。


「……今更、あいつに何の話があるの」

ルイの声色には、戸惑いと、僅かな恐れが滲んでいた。



『お願いします』

そう書かれた黒板を差し出すと
レオナは深々と頭を下げた。




長い長い沈黙の後
ルイは重い口を開いた。




「………わかった。来週、王宮に行く時に君を連れていくから…その時に時間を作るよう…クロードに連絡する」



レオナはありがとう、と口だけ動かし
再び頭を深々と下げた。

するとルイはレオナの目の前に立ち
「顔を上げて」
と、言った。

顔を上げたレオナをルイはぎゅっと抱きしめる。


「必ず、俺のところに帰ってくるんだよ、約束して」



レオナはルイの背中に腕を回し
とん、と一度だけ背中を叩いた。




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