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【100プリ】Wistarian Diva

第18章 Op.18 Happy New Year



「クロード……」

レオナの瞳にまた涙があふれた。



「おいおい…泣かすためにケイに無理言ったんじゃないぞ」

「……い、いいの…?」


「大丈夫だ。ケイも…分かってたよ」


「……うう…っ」



クロードは再びレオナの隣に座り、そっと抱き寄せた。


「…どうする?自分の家の方が落ち着くか?」


「……」


レオナは沈黙する。


(ここに居たら…俺に抱かれやしないか不安に思うかもな)


「それなら、車取ってきて送ってやるぞ」



「……」




長い沈黙の後、レオナは重い口を開いた。


「……クロード」


「ん…なんだ」



顔を上げたレオナをクロードはまっすぐ見つめた。



「私……ルイのこと…好きになっちゃった」


「……ああ、分かってる」


分かってはいたが、改めて言葉で聞かされると
僅かに胸の奥が痛む気がした。



「でも……ツアー頑張りたいの…」

「…ああ」


「だから……」

「……」


レオナは再びクロードの肩口に頭を預ける。


「それまで……甘えてもいいかな…クロードに」


「……」

クロードはレオナの髪に指を差し入れ、すっと梳いた。

「……いいに決まってるだろ」


そう告げて、レオナの頭上に頬を寄せた。


「シュタインに送り届けるまで、そばにいてやる」





その年初めての朝日が

クロードの家の窓へと差し込んできた。






*********


それから5日間
レオナはクロードの家で何もせずに過ごした。

料理をして一緒に食事をしたり
近所を散歩したり

時折歌を歌ったり
それをクロードは黙って聴いていたり

穏やかな日を過ごすうちに
最終日の夜、クロードの膝の上で
レオナは深い眠りについた。


そして

5日の一番早い便に乗って
レオナはクロードと共にシュタイン入りした。




長い長い

ワールドツアーが始まる。




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