第2章 向日葵を愛した人へ。
「おばあちゃんの飴、美味しいね。
メーカーとか書いてないけどどこの?」
「ああ。
それはね、私が作っているのよ。
少しの間だけれど飴細工をしていたの。昔のことだけれど。」
「へぇ。すごいね、だからかな・・・」
?
「・・なんだか、懐かしいって味がする。」
オレとは入れ違いにおばあちゃーん!と元気な声が響いた。
あれはたしか、かの有名な少年探偵団くんたちじゃない?
なんだかメンバーが足りない気がするのが残念だけどな。
いやぁ。やっぱカワイイねぇ。
『おれ、ソーダ味!!』
『あっ!レモン味ですよ!』
『ほら!!見て見て!レモン味を光に透かすときれーい!!』
誰かがぼそっとなにか言ったらしい。
『本当だ!向日葵が咲いてる!!』
ああ。いまどきの子供には万華鏡って珍しいね。
『来たる今週の土曜日。
地図の場所にて、
夕陽が沈む前までに(大切な物)をいただきに参ります。
刹那の夢をご覧あれ。
皆さま、ふるってご参加下さい。
怪盗ナイト』
「刹那のゆめだぁ?」
テレビのリモコンを握ったまま、
平成のホームズは画面に向かって話しかける形になっていた。
テレビは臨時の怪盗特集で予定変更、
子供達は博士の新作ゲームに夢中だからだ。
それでなくともキザな怪盗にはこりごりしているのに。
新しい怪盗とやらもやはりキザったらしいのがお好きらしい。
地図の場所はここだと画面に映し出される、
おいおい。ギャラリーでいっぱいになっちまうぞ!?