第17章 9日目の慨然
雷雨の中、激しい怒りと共に私は山小屋を訪れた。
ルルさんを探して戻ってくるであろう奴らを待ち伏せ、怒りをぶつけるように攻撃をしかけた。
不意を突かれた3人は、そのまま体制を整えることもなく、ただの肉塊へと変化した。
見せしめに衣服を剥ぎ取った。
槍を最後に一突き入れ、確実に苦しんで死ぬよう止めを刺した。
ぷしゅっと吹き出す血が服を汚した。
雨に打たれながら戻ると、怖がって私に近づかないはずだと思っていた彼女が飛び込んできた。
一瞬動揺するが、いつものように振る舞うよう努める。
汚らわしい輩を潰したことに対する高揚感はなかなか隠すことが出来ない。
ルルさんは少しだけ怯えながら私に尚も優しく問いかける。
いつでも怯えられる存在の私に、おそるおそる手を伸ばし、ゆっくりと優しく語りかけてくるその存在は、愛しくてたまらない。
きっといつかは離れてしまう存在。
私は彼女の明るい未来を壊してはならない。
そう思っているのに、このまま一生ここにいればいいのに、と相反する自分が暴走している。
部屋から出られないようにすれば、もうこんなことにはならない。
私以外は触れられない。
私以外はその瞳に写させてはならない。
もし、彼女の本当の王子様が現れてしまったら、私は二人をこの手で壊してしまう。
ならばいっそ、この部屋だけにいればいい。
先程より強く抱き締める。