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互換性パラノイア【TOA】【裏】

第14章 8日目


「……ひっ…!」
声にならない声をあげて、そのまま麻縄をぐるぐると巻き付けられる。
「やめ……くだ!……いたっ……!」
「明日の闇競りに出すか。今日は寒いが一晩ここにいろ。」
「……っ」
顔をざらざらした手で触られ、びくっと身体が揺れる。
「…いい反応だな…。まあ、値が下がらないよう今日はなにもしないでやろう。」
頭をぐっと掴まれ、あまりの痛みと恐怖に気持ちが悪くなる。
そのまままた地面に投げ出された。
入り口が閉まると、誰もいなくなり、辺りは真っ暗闇に包まれた。
カサカサという虫の足音や、ネズミの小さな鳴き声がたまに聞こえる。
人がいなくなった不安で、泣けてくる。
「ど……どうしよぉ……。ジェイドさん……っ」
ひくひくと嗚咽を上げて暗闇の中、麻縄の感触だけを感じて一人泣き続けた。

知らない間に、日が暮れて、私は意識を失っていた。

次に私がハッキリとした視界で気付いた時には、いつもの見慣れたお部屋だった。
全部夢だったのかと、ふと安心した。
「あ……痛っ…。」
全身の節々から来る痛みと気だるさは、いつもの行為の後に感じるものだった。
まさか…と恐怖心が微かによぎったが、いつものように丁寧に身体を拭かれたのを理解し、崩れ落ちる。
「こわ、かったぁ……。」
今何時なのだろうか。
そんな疑問がふとよぎる。
カーテンから射し込むはずの日は、土砂降りの雨と雲で見えなかった。
助けてくれた方はどこか、少し見回したが誰もおらず、部屋は静まり返っていた。
ガウンを羽織り、部屋から出ようと戸に手を掛けると、いつものように開くことはなかった。
「…え?」
回しても回しても開かないそのドアノブに首をかしげ、ノックしても誰もいないのか声すら聞こえず。
「閉じ込め、られちゃった…?」
ぽかーんと、現状を確認すると、諦めてシーツにまた身を沈めた。
ジェイドさんをきっと相当怒らせてしまったに違いない。
今日もお仕事なのか。
戻ってきたら謝ろう。

私は罪悪感に苛まれながら、身体の疲れを癒すように眠った。
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