第56章 【番外編】変態の彼女2
すっかり3人での情事に味をしめた変態は、口角を上げて微笑んだ。
俺は1日何回ため息を吐いたのかもうわからなかった。
ルルを見掛けたのはおよそ1週間ぶりだろうか。
少し疲れた様子だった。
久々に見掛けたその姿に感動し、
「大丈夫だったか?その、本当に悪かった……。」
と謝罪をしに駆け寄った。
彼女はびくっと肩を揺らしたが、すぐにいつも通りの健気な少女に戻った。
こっぴどく色んなことをされたんだろう…。
そんなことないとは言ってはくれたが、油断した俺の責任を感じずにはいられない。
きっとこうやって顔を会わせるのもさぞ恥ずかしくてツラいだろう。
「顔色悪いな…寝てないのか?」
「そ、そういうわけでは、ないのですが……。」
かなり落ち込んでいる様子だった。
髪艶もいつも通り、肌も潤ってはいたが、どこか途方に暮れている。
「…ジェイドさんの考えていることがよくわからなくて…。
勿論、私は、あの方が言っていることには全力でお力になりたいと思ってはいます……。」
でも今回ばかりは……と泣きそうな顔で言う。
一体1週間みっちり閉じ込めて、更に何をさせようと言うのか……。
アイツを止めるのは俺でも難しい。
ある意味、純粋で真っ直ぐなやつだ。
(純粋な変態って、タチ悪いな…。)
そのうち収まるだろう、と慰めてその場を終えたのだが……。
まさか巻き込まれるなんて、微塵も思ってはいなかった。