第7章 4日目の嫉心
朝から散々避けられ、もやもやとしたまま休日中にも関わらず雑用を片付けた。
「部屋にいても仕方ないですし……。」
執務室でそんなことをぼやいて天井を仰いだ。
何故逃げるのかふと問いたくなったが、もし、行為が嫌なのだとしたら…などという問いが返ってくるのが不快だった為にそれは避けた。
日中、せっかく取得した休みなのに顔も合わせずに別室にいるのが急に変な言葉に表せない感情に陥る。
「どうしたものですかねぇ。」
と紅茶を運んできたメイドに思わず聞いてしまう。
「珍しいですね、そこまでお悩みになるなんて……。」
「そうですね。今まで、こんなことありませんでしたから。いかに無駄に年を重ねてきたかが、貴女の言葉から沁みてよくわかります。」
「…そんなことまで言ってませんよ。」
冗談も挟んでいないと、何やらこの照れ臭い気持ちは誤魔化せず、私は紅茶を頂くと次にきた書類を片付けた。
夕暮れの日差しになる頃、軽いノリで陛下が顔をだし、
「今日行くぜ。」
と一言だけ残してこちらの返事も聞かずに世話しなく戻られた。
ルルさんに伝えに行くと、案の定わたわたと支度を始められ、結果的に間に合わなかった。
「髪ボサボサですし、お化粧だってそんなにしていませんし、服はどうすれば…っ!」
と可愛らしい様子で言っているが、サラサラの髪はよくまとまっており、キメの細かい肌はそのままで充分で、服も私から見ればとてもきちんとしている。
なんならすぐにでも触りたいと思うほどに、なんとも可愛らしい生き物だとその様を眺めた。
陛下は案の定すぐにいらっしゃり、食事係がいそいそと準備を整える。