第53章 堕天
彼女は、そんな私の表情に一早く気付き、手をほどいて逃げようとする。
「…ダメですよ。」
「…っ!」
柱に手を付き、逃げないように身体を寄せる。
「だ、だめです…外だし…、あの汚れてしまいます…。」
「もう皆寝ていますよ。大丈夫です。」
「…え…でも…。」
そっと唇を奪う。
髪飾りがふわっと頬に触れる。
顔が真っ赤に染まる彼女が月明かり越しでもよくわかった。
後ろから裾をめくりあげ、ぐりぐりと腰を回す。
彼女のイイところをピンポイントで擦ると、あっという間に蜜が足首まで流れる。
「ああ!あっ!はぁぁぁっ!」
「そんなにイイ声を出して……。皆さんが起きてしまいますよ?」
「だめぇっ!んんっ!んうっ、ふぅ……!」
声を抑えようと指を噛む。
扇情的でいやらしいその光景はなんとも言いがたい。
「指、怪我したら大変ですよ。」
外して自分の指をくわえさせる。
淫靡なその姿と指先に感じる彼女の吐息が刺激になる。
「んんっ!あ、あっ!だめ、い、いっちゃ……!」
眉を寄せて一回また一回と昇り詰める姿を後ろから見る。
未完成な身体に相反して完成された美しさが、月明かりで鮮明に伝わってくる。
激しく楔を打ち込めば、少しずつ飾りとしてついていた羽がひらひらと舞う。
この世の穢れを知らない天使を貪るようで興奮する。
沸騰するような血液をただ抑えようと激しく一点を打ち付けると、彼女はまた身体を強ばらせて達した。
「はぁ……っ!ぁ…!もう、だめ、だめぇっ!」
がくがくと痙攣し、中をきゅーっと締め上げられる。
裾を全部めくり、彼女の双丘を揉みしだく。
尚も感じて震えるそこが愛しくなる。
「はぁ…ルルさん、可愛らしい…」
快感と視覚からくるルルさんの背中に下腹部が反応する。
「あっ!ああっ!ふぁぁぁぁっ!!」
背中を反らせると、また蜜が流れ溢れ、足元に水溜まりを作る。
「やぁ!やだぁ…!!」
泣いているような喘ぎをまた上げて、震える足腰で必死に立つその姿は、儚くも美しい穢れた天使を彷彿とさせる。
燃え上がるような情事に身を焦がしながら、末永く彼女の隣にいられることに、私らしくない幸福感を感じた。