第53章 堕天
仕事終わりに部屋に戻ると、大量の荷物が届いていた。
先日の旅行で、ルルさんの服をかなり買ってしまった。
しかしどれも似合っており、残念ながらどれかを諦めるということは出来なかった。
己を少し反省し、試着させ、いややはり買うべきだった、と一人で納得していた。
そして、ルルさんのウェディングドレスが届いた。
ウィンドウに飾られていた一点物ドレスは、華やかでとても綺麗だった。
薄い布を合わせられて作られており、ひらひらふわふわと動きのあるドレスで見ていてきゅんとくるものがあった。
「ルルさん、届きましたよ。
早速着ましょう?」
慎重に包みを剥がして中から真っ白なそれを出していく。
「は、早くないですか?」
「早く着ましょう。」
「…は、はい…。」
白い肌にゆっくりとサイズを合わせていく。
レースアップを慎重に合わせて結ぶ。
「ジェイドさん…胸元が…。」
「大丈夫ですよ。成人の儀をする頃にはきっと丁度よくなっていますよ。
私が責任を持って成長させてあげますから。」
「え?どうやって…?」
「それはもう丁寧にも…」
「おい、変態…それ以上はやめろ。」
「おやおや、陛下、いらしたのですか?」
「はじめからいただろうが。」
やれやれと言わんばかりに陛下は私達の側による。
「お、似合うじゃねーの。」
「ほ、ほんとですか?」
胸元を押さえてうるうるとした表情で陛下を見上げる彼女。
陛下もまんざらでは無さそうで、つい、
「私の妻に手を出さないで頂けますか?」
と悪戯紛いに聞いてしまう。