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互換性パラノイア【TOA】【裏】

第50章 追懐


雷が鳴っている。
まだ私が小さかった頃だ。
その前の記憶や家族の記憶はやっぱりない。
私は、檻の中にいた。
綺麗な髪に見覚えがあった。
ジェイドさんだった。
でも幼い顔立ちで、今の私より少し年上くらいに思える。
周りがぼんやり見えててあとはよく分からない。
おはよう。今日から一緒に暮らそう。
檻の外からそう言われた。
ぼんやりした私は頷くしかなかった。
ご飯はあまり美味しくない。
皆がずっと私を見ている。
私は何をしていいかわからずに、ただひたすら、檻の中で過ごしていた。
トイレやお風呂も監視されていた。
食べるときもお散歩も、監視されていた。
お勉強もさせられた。
でも、全然わからなかった。
私はその時は表情も上手く作れなくて、ぼんやりした表情だけが精一杯だった。
成功例だけどやっぱりここが弱い、と紙や本を見ながら言われた。
もうここでの生活がいやだった。
絵や音楽も教わった。
頭がぼんやりしてる私には出来なかった。
何人かが私の監視をやめた。
ジェイドさんだけは私の監視を続けた。
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