第44章 旅行2日目
「一つ一つ、私が選んだ物を身に付けてもらう幸福感。
一つ一つ、それを剥いでいく背徳感。
どちらも欠かせては成り立たないこの興奮は、誰にもわからないと思います。」
私なりの愛情表現は、これが最上級なのかもしれない。
ルルさんはどんなに与えても、決して色が染まらない。
芯が強いからなのかもしれない。
私の色に染まっていくのもまたある意味では悦びではあると思う。
それ以上に、どんなに私の好みに調教しようとも、一切染まらず、真っ白なままの彼女は本当に美麗だ。
何度も染めようとするのに変わらない、綺麗なまま。
私が先日贈った服を着ている。
私が着せたのに、脱がせる。
若い張りのある肌が見えてくる。
昨夜、否、出逢ってからほぼ毎日付けている赤い印は、今日もまた一段と色濃くなる。
下着も私が贈った物しか身に付けさせない。
色や装飾も、彼女の好みは別かもしれない。
彼女が従ってそれを身に付けている時、いつでも私の物ということを見せつけているようで、至極高揚する。
だからといって、今までの女性にそんなことは思ったことすらなかった。
彼女だからこそ。
それを受け入れてくれるのは、私が恩人だからか、愛してくれているからか。
まだ不安定に揺らぐ感覚は少しだけあった。
このままでいい、と落ち着いた声で言ってくれた。
とても安堵する。
まるで、母親に撫でられるような、そんな不思議な気持ちになる。
お互いに向かい合うように座り、服を脱がせていると
「まっ……待って下さい…!」
と手を制止される。
「嫌でしたか?」