第41章 ジェイドさんと旅行1日目
それは昼下がり、色々教わっているときにした私の小さな質問から始まった。
「ゆき?」
「雪です。
……ルルさん、まさか、知らないっていうことはないですよね?」
「知りません…ごめんなさい…。」
ジェイドさんが普段では絶対に見せないような、驚いたお顔をなさっている。
「こう、空から、綿みたいな物が落ちてくるんですよね?
絵本では見たことがあるんですが……。」
「そんな生易しい物ではないんですが、可愛らしい回答に花丸を差し上げます。」
「な…!いりません…!」
紙に花丸を大きく書いたジェイドさんは、それを私の胸元に貼り付けた。
「せっかくですから、次の休暇は雪を見に行きましょうか。」
「そんなすぐ見れるんですか?」
「すぐと言うわけではありませんが、旅行に行きましょう。」
「りょこう?」