• テキストサイズ

互換性パラノイア【TOA】【裏】

第40章 最近幼馴染みの彼女が可哀想


それでもやっぱり、偏見の目はどこにでも向けられる。
若くして才能あったアイツは特に昔からひっでー言われようだった。
賞賛と批判は、結局同じ数だけ受けるっつーことだ。
「やはり、隠し撮りされてしまいましたねぇ。
迂闊でした。」
「真っ昼間からヤるからだろう。しかもドア開けっぱで。」
「何人かの部下の気配だけでしたので、遊び半分でしたから。」
笑いながらそう言ってのける。
根性だけは座ってんだから逆に迷惑だ!
「どうすんだよ。この脅し。」
「いやぁ、結婚するつもりはありませんし、断ってばら蒔かれる方がマシでしょう。」
この犯罪紛いの写真を……正気だろうか。
正気だろうな……。
肌蹴た少女が膝に乗り、いかにも行為中です!というこの写真が、ちょっとした事件の始まりだった。

身元がほぼ不明の女との見合い、その情報を探るのに社交界、しかもアイツの得意な手段で……。
一人留守番をさせられている健気な少女には目も当てられなかった。
色々質問されたが、俺は残念ながら曖昧な反応しか返せなかった…。
一人で広い部屋に置いとけなくて、俺の部屋に来るように誘った。
「ブウサギもいるぞ!」
「ブウサギ…?」
きらきらとした表情を向けられ、小さな少女はゆるゆると俺の部屋に来た。
ブウサギと戯れ、遊んで過ごしてはいるが、たまに見せる不安そうな表情が少し気がかりではあった。
拾われた当初はボロボロのガキが来たなぁなんて思ってたけど、恋人の英才教育ですっかり上品になり、これまた恋人の夜の教育のせいか、すっかり色っぽくなり。
あれ?
これ、俺がなにもしない保証なんてないんじゃないの?
とかふと思ってしまう。
恋する女は綺麗になる、なんて昔の人は上手いこと言ったなぁ。
アイツが帰ってくると嬉しそうに部屋に戻る姿が、可愛く、二人が上手く行ってることにちょっとした幸福感を味わった。
/ 344ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp