第30章 58日目
「今、どちらの選択肢を選んでも、貴女を酷く傷付けてしまうんです。
待って頂けませんか?」
ジェイドさんは怒ってはいなかった。
でもとても真剣に私の目を見てくれている。
「一旦は結論を出しましたが、これがどう転ぶかわかりません。
信じて、私を待って下さい。」
「……わ、わかりました…。」
納得はしていなかったが、そこまで言われたら私は折れるしかなかった。
「私だって、出来るなら、ジェイドさんをお部屋に閉じ込めたいんですからね…。
かっこいいし、綺麗だし、優しいし、強いし……、すごく、すごく心配なんです…!」
ジェイドさんは、私をとても強く抱き締めて、
「もう一回、言ってください。」
と耳元で震える声で言ってきた。
「も、もう、言いません……。」