第25章 45日目の優艶と再会
言い値でと伝えると、あっさりと門は開き、一室部屋を取ってくれた。
すぐにでも連れ去って帰りたかったが、一晩泊まるのはルールであるらしく、規律を乱さないで欲しいとの条件を致し方なく飲んだ。
陛下には、部屋でルルさんを待って頂き、私は彼女を出れる格好にすべく、服を現地調達した。
駆け足で戻り、勢いよく襖を開く。
呆然とした彼女の顔を久々に見た。
「ルルさん…。」
「…ジェイド、さん……。」
「早かったな。もう少し遅かったらお前と穴兄弟だったかもな。」
「キツいご冗談を。」
ふっと嘲笑うと、ルルさんをまじまじと眺めた。
変わらない可愛らしいお顔にはいくつかの痣、手首は真っ赤に鬱血した痕があり、薄い下着から透けて傷や他の男の痕が伺えた。
美しい髪は土と精液で汚れていた。
「…ごめんなさ、私…汚い…。」
きゅっと自分自身を抱き締めるルルさんは、どこか他所に視線を反らした。
「どんな場所でも、貴女は可愛らしくて綺麗です。」
素の言葉だった。
今の彼女にはきっと届いていないだろう。
「俺もこの部屋に泊まらないといけないんだろう。肩身狭えなぁ。」
「私が泊めて差し上げてるんですよ。」
ルルさんは一言も話さなかったが、少し安心したのか、私と同じ布団でとてもよく眠っていた。
毎日、怖いことをされていたのか、時々小さく泣いていた。
その姿が痛ましくて、切なくて、落ち着いたら何もかも忘れて貰える環境を作らねばと気持ちを新にした。