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互換性パラノイア【TOA】【裏】

第25章 45日目の優艶と再会


急いで屋敷を後にした私は、グランコクマへ帰り、陛下に経緯を話した。
しかし、私が手離したのに、助けに行くのは図々しくないか不安になる。
もし、彼女が望んでその地に行ったとしたら。
その地で仮にも幸福を掴んでいるとしたら…。
どことなくそんな気持ちになる。
「おい、何ぼさっとしてんだ。今すぐ行くぞ。」
悪友はにやっといつもの余裕の笑みを浮かべた。
陛下とこうして城を出た。

奴隷の売買を行っている業者をこっそり渡り歩き、漸くケセドニアでの巨大遊郭の話を耳にした。
地下に眠る巨大な施設の入り口は隠されており、見つけるのも一苦労だった。
「こんなのが国境にあるなんてな…。」
陛下は苦笑いをしながらその施設を眺めていた。
特に大きな、異国の雰囲気の建物には見世物小屋がついており、格子越しに男女の営みを見ることが出来た。
その悪趣味な檻の中に、彼女がいた。
手枷をし、知らない男に暴行を受けながら泣いている。
「…!」
憤りと後悔が頭の中を侵食していく。
「客として入るしかねえな。」
「客も何も……今すぐ連れ出します。」
「連れ出すって……」
「買い取ります。」
「お、落ち着けって。目立つことを…。」
「耐えられません。」
はぁーと大きなため息を後ろにしながら私は受付の男に責任者を出すよう掛け合う。
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