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あなたと愉快な仲間たち

第17章 君を初めて遠ざけた日


ーーside


大丈夫、大丈夫だと言い聞かせてきた。


両親が亡くなった後も、
大丈夫、きっと大丈夫だと言い聞かせ

私は泣くことを忘れようとした。


こみ上げる悲しみを押し殺した



助けてなんて言えるわけがない。


助けてもらえるわけない
こんな私なんかのことなんて。



「そ、そろそろ教室戻らないとね」



初めて君を遠ざけた。


遠くに感じた君は、
いつも傷ついた顔をしていたね。


何も言わず言えず、

苦しみ悲しみに耐えていたね。



それなのに何でだろうね。

自分が求めたことなのに、
私は欲張りになっちゃうんだ。



智「嫌いになんかなるわけないやろ!!!」



後ろで大きく叫んだ神ちゃんが、
泣き顔なんて気にしていないようで

智「独りぼっちで人を拒んでた俺らが!
ずっと1人だったを今さら俺らが…
のこと嫌いになれるわけないやろ!」
流「俺らは人の気持ちに鈍感で疎い。
だからなかなか相手の思いに気づけへんけど…」

「神ちゃん…流くん…!」

智「だから遠くに行かんといてくれ
俺にも流星にも、みんなにも…!!
ずっとずっとだけなんやって」
流「大丈夫ちゃうや、平気なんちゃうやろ?
ほんまは助けて欲しいくせに。辛いのに。
言うてくれへんと分からんのやって…」



遠くに行かないで、

俺らには私だけなんや




その言葉の意味を理解するのは、

きっとまだまだ先なお話である










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