第10章 過去と未来【大和守安定】
【長谷部】
一体何が起こっているのだ?
主が、大和守の事を覚えていない?
「まさか…」
先ほど見たあの紋は記憶を表していたのか…
大和守に何が起こった?
池田屋で何が…
「長谷部さん!大変です!」
粟田口の短刀達が俺の元へ。
「これを見て下さい」
見せられた写真。
陸奥守が撮った写真。
皆が楽しそうにしている写真。
「大和守が……いない…」
加州の隣にも、
主の隣にも、
大和守の姿はどこにも無かった。
この写真と主の関係は考えなくても分かった。
「主……」
主の記憶(なか)から大和守の存在が無いと言う事だった。