第10章 過去と未来【大和守安定】
それから幾つもの出陣や遠征に演練の回数を重ね安定は力を上げていった。
「そろそろかな……」
池田屋。
もう一度あの場所に安定を行かせたい。
でも…
「主、僕だよ。入ってもいいかな?」
「安定?」
私の部屋に来たのは安定。
「どうしたの?」
「主に聞いて欲しい事があるんだ」
「私に?」
池田屋で前主、沖田が大和守安定を使っていた夢。
史実では加州清光。
分かっているのに何度も見てしまう夢。
「どうして同じ夢を見るんだろう?」
「う~ん…」
分からなかった。
答えてあげられなかった。
「ごめんね。安定」
「いいんだ…仕事の邪魔してごめんね、主」