第6章 おじいちゃんじゃない【三日月宗近】
「三日月」
「これはこれは……どうした?主よ…」
「何してるの?」
「お茶を飲んでいる」
縁側に一人腰掛け湯飲みを持つ三日月。
この光景は毎日同じ。
「主も一緒にどうだ?」
「じゃあ…少しだけ」
縁側に座り、太陽の陽を浴びる。
「あったかい…」
「そうだろ?ここで茶を飲み、昼寝をする…贅沢な時間だ」
1000年以上の時を過ごし、今が一番平和だと呟く三日月は次第にコクン、コクン…と、頭が降りてくる。
「おじいちゃんみたい…」
「じじいだからな……」
やがて目を閉じ眠ってしまった。
肩に寄りかかる三日月。
彼の髪が頬に当たる。
「おじいちゃんか…」
私にとってはおじいちゃんじゃないんだけどな。
「私にはとっても素敵な人…」
「……ほう。それは嬉しいな」
「お、起きてたの?」
「うとうとしていた。それより」
三日月の手が私の頬に触れる。
「主にとって俺は素敵な人。俺にとって主は…」
三日月が耳元で囁く。
「愛しい人だ」
と。