第8章 見回り【佐々木異三郎】
気が付くと、
信女ちゃんが私達をじっと見ていた。
私は慌てて異三郎さんと私を引き剥がして、
夏希「信女ちゃんっ!?い、いつからっ!?いつからそこにいっ!?」
私とは裏腹に、
信女ちゃんは冷静だった。
信女「……別に。それより、夏希、あなたは大丈夫なの…」
夏希「うん!信女ちゃんのおかげで…。ありがと信女ちゃん!」
信女「…別に私は何もしてない…」
異三郎「嘘はいけませんよ信女さん」
信女「………」
黙ってうつむいた
信女ちゃん。
大丈夫かなと心配していると、
信女ちゃんが私を
ギュ~ッと抱き締めた。
夏希「!信女ちゃん!?」
異三郎「なっ!?」
あの異三郎さんまで驚いていた。
信女「……ただ…」
夏希「…ただ?」
信女「あなたが無事で良かった…」
夏希「信女ちゃんっ!!」
私は思いっきり信女ちゃんを抱き締め返した。
信女「夏希…苦しい…離して…。」
夏希「信女ちゃん、ほんとにありがとねっ!!」
というと、
信女ちゃんの頬が
ほんのり赤くなったあと、
「じゃあ」
とだけ言って去ってしまった。
すると後ろから、
とんでもない殺気が立っていた。