第17章 お弁当【晴太】
次の日
美羽「翔君!晴太君ー!一緒に弁当食べよー!」
と大きな声が響いた。
夏希「ちょ、美羽大きいよ声…!」
私は慌てて止める。
美羽「だって、夏希だって告白できるチャンスなんだから!大切にね!」
といつもの野原に来た。
うぅ、気まずい。
翔君と美羽は仲良く話しているし、
晴太君はずっと喋らないし…。
もしかして、
嫌われたかな?
そんな思いが胸をよぎる。
本当にそうだったらどうしよう。
っ…、泣きそうになった。
昼飯終了のチャイムが鳴った。
美羽と翔君は先に行ってしまった。
だが、晴太君は立ち上がらない。
夏希「ど、どうしたの晴太君…。」
私達に気づいた美羽と翔君が駆け寄ってくる。
美羽「どうしたー?早く行こ!」
夏希「うん…行こ」
と歩き出した瞬間、後ろから手を引っ張られた。
夏希「えっ、晴太君!?」
晴太「二人とも、ごめん。先行ってて。」
晴太君が真面目な表情で話す。
何かを察した二人は、
笑顔でその場を去った。
そよ風が吹く野原で、私と晴太君は見つめ合っていた。
私が何か言おうとすると、
それを遮るように晴太君が口を開いた。
晴太「オイラ…ずっと夏希ちゃんが好きなんだ。」