第17章 お弁当【晴太】
?「…ーちゃん、ーきちゃん、」
誰かが呼んでる。
今私は寝ているようだ。
?「ー…夏希ちゃん!」
そこで目が覚める。
夏希「んぁ…、あ、晴太君、おはよう!」
私は恥ずかしさのあまり、
ありったけの勇気で笑顔を作り、
受け答えをする。
晴太「大丈夫?4時間目ずっと寝てたから…。あ、でも先生にはバレなかったよ!」
ふぅ…、バレなかったのか…良かった。
体を起こすと、
晴太君のものであろう羽織り物が私の背中に掛けてあった。
夏希「ん、あれ、これ晴太君の…。」
晴太「へへっ、今日は寒いからね!オイラのだけど、毛布がわりってとこかな!」
あぁ、もう。
そんな笑顔が可愛い 好きなのに、
きっと晴太君は気付いてない。
夏希「ありがとね、晴太君。」
と微笑むと、晴太君が照れた様に笑った。
晴太「あ…あのさ、良かったら弁当一緒に食べない?」
夏希「え、いいの!?」
思いがけない誘いだった。
晴太「うん!オイラで良ければ…」
"そんなことないよ"と言いたかったけど、恥ずかしかったのでやめた。
夏希「んーん!一緒に食べたいな!」
さすがに二人っきりはヤバイので、
私の親友の美羽と、晴太君の友達の翔君と食べることにした。