第1章 想いよ、届け(及川徹)
『及川くんありがとう、
及川くんが抜いてくれなかったら、
私のせいで最下位になるとこだった』
「あぁ、うん、いえいえ。
それでご用件は?」
『それが…』
次に耳にしたのは予想外の言葉だった。
『私さっき転んだ時に足痛めちゃって、
走れないどころか歩けないんだよね』
「…!」
確かにかなりの勢いで転んでいたし、
受け身もとれていなかったが、
それほどのケガだとは思わなかった。
走りきった彼女を少しだけ見直す。
「待てよ」
『え?』
「歩けない、ってことは、
この後のクラス別の出し物は…」