第1章 想いよ、届け(及川徹)
前日の放課後まで何十回も練習をして、
最後は衣装まで着けて、
クラス全員の前で通して、
なんとか見せられるレベルになった。
「よかったねぇー、これもうちのクラスの
カワイコちゃんたちのおかげだね、
ありがとう☆」
女のコたちに笑顔を振りまいてから、
教室を出る。
俺の演技を見ているときの
唯の表情が、
頭に染み付いて離れない。
見たくないものを見ているような、
それでいて時折うっとりとした表情。
(なんでそんな顔すんだよ…)
明日の演技に集中しなければならないのに、
俺の頭は彼女のことでいっぱいだった。