第2章 「夏」~想い~
♪~♪♪…
太陽君のギターの音色が、病室いっぱいに広がる。
私は少し緊張していたが、何とか歌いきることができた。
ひま「ど、どう?」
歌い終わってから、恐る恐る聞いてみた。
太陽君「前よりも、いい感じじゃね?正直、驚いたぜ。でもまだ、サビのとこ音外れてるから、この調子で練習続けてくれ!」
ひま「ありがとう!うん、また練習頑張るね!」
私は太陽君に褒められたから、とても嬉しかった。
太陽「お前のことだから、音痴のまま来るかと思ってたけど、大丈夫で安心したよ。」
と、言いながら、かすかに笑っている太陽君。
ひま「あー!人がせっかく、頑張って練習してきたと思えば、またそういうこと言うー!」
私は少しほっぺを膨らませた。
太陽「悪りぃ、悪りぃ。そんな怒んなって!顔のシワが増えるぞ。笑」
ひま「シワなんか増えないしー!」
太陽「あはははは~」
2人で話していると、時間が過ぎるのはあっという間で、もう帰る時間がきてしまった。
太陽君に挨拶してから、病室をあとにした。
少しからかわれたりして怒ったりもしたけれど、私は太陽君から褒められたほうが、自分の中で大きくて、とても嬉しかった。