第1章 「春」~出会い~
教室の窓からやわらかい風が吹く。
優しいにおいがする。
きっと、桜のにおいだろう。
高校生になってから、2回目の春がやってきた。
2年生にあがる時にはクラス替えがあり、
親友の瑠璃と離れてしまうかと心配していたけれど、
また同じクラスになれてとても嬉しかった。
ひま「早く、瑠璃来ないかな~?」
私はウキウキしながら、
瑠璃が登校するのを教室で待っていた。
本当は、メールで教えてあげようと思ったけど、
自分の目で見て知ったほうが嬉しいと思い、
わざとメールをしなかった。
瑠璃のことだからまた朝のSHR(ショートホームルーム)ギリギリに来るんだろうなと思っていた。
ほぼ、チャイムが鳴ると同時に教室に入ってきた瑠璃。
私の予想は的中!笑
寝坊したのか、髪がボサボサだ。
おまけに息をきらしている。
私を見つけて駆け寄ってきた瑠璃。
瑠璃「ハァ、ハァ…ま、また、同じ、クラスだね!嬉しいよ^^」
私も嬉しいよ!と話そうとした瞬間、
「はーい、ホームルームはじめるぞ~。」先生が教室に入ってきたので、あとでねと言ってから瑠璃は席についた。
「今日から、このクラスの担任をさせていただきます、斎藤です!みんなよろしく!」
パチパチ…
体育の先生ということもあり、熱血的な先生だ。
みんなの自己紹介を聞いている時、右隣の席があいているとふと気づいた。
不思議に思った私は、
ひま「先生、私の隣の席の人はいないんですか?」
と聞いた。
すると、斎藤先生は
斎藤「あぁ、太陽のことかな?太陽は今入院してて…、あっ、そうだ!ひまわり、太陽君が退院するまで、プリントとか届けてくれないか?」
ひま「はい、わかりました。」
私は心よく受け入れた。
早速今日の放課後、太陽君が入院しているという病院に行ってみることにした。