第12章 抗えない【R-18】
シドは、まだ酔いの残るイリアの身体を
ベッドに縫いとめた。
「シ、ド…だめ……お願いだから」
その声は
以前のように
肯定をしめす「拒絶」ではないことを感じさせた。
「るせぇな」
シドは相変わらず
むりやりワンピースの紐をほどき
勢いよく胸元を下げた。
そして
一瞬動きを止め
シドの目が胸元に釘づけになり固まった。
「……お前」
シドは、イリアの胸元に散らされた赤い花びらを指でなぞると
顔を背けているイリアの顎を掴んだ。
「おい」
シドの冷たい声が響く。
恐る恐る、ミッドナイトブルーの双眸と
目線を交える。
その目は
無表情に見えて
ひどく冷え切って
でもどこか
寂しげな色をしていた。
「……誰とデキてやがる」
(あなたのモノになった覚えはない…)
イリアは黙ってシドを睨んだ。
(そんな……そんな目で私を見るなら……)
どうしてあの時
どうして
(私が王宮へ行く時)
全力で止めてくれなかったの?
そんな顔をするくらいなら……
(なぜ、私を捕まえていてくれなかったの?)
睨み返した目からは
自然と涙がこぼれた。
シドはその涙が意外だったのか
少し目を見開く。
「……ジル様、だよ」
上ずりそうな声をおさえながら
イリアは答えた。
シドはある程度目星をつけていたのか
その答えに特段驚いた様子も見せなかった。
そしてそのまま
吐息の感じる距離にまで迫ると
「……気に入らねえな」
と一言吐き捨て
一気にイリアの唇に噛みついた。
「……!!!」
突然のことに
息が止まりそうになる。
シドの舌は容赦なく攻め入り
あっという間にイリアの口内を犯していく。
「……っ!」
呼吸が止まりそうになる。
「……んんっ…ぷはっ……」
やっと解放されたかと思うと
シドは冷え切った冷たい目線でイリアをまっすぐ射抜く。
「……人のモンになってんじゃねえよ」
「…そ…そんな…!」
答えようとすると、それを遮るように
シドは乱暴に胸を揉みしだいた。
「……あぁっ!!」