第10章 浄夜【R-18】
今度は、ジルの方が
心底驚いた顔を浮かべていた。
しかし
イリアの精一杯の思いを察すると
唇を離そうとしたイリアの首の後ろに手を添え
再び口付けた。
「……んっっ」
口づけを深めようと角度を変える。
イリアは自然な形で
ジルの舌を受け入れた。
ジルの舌は
優しく、慈しむように
イリアの舌を包み、撫で、絡めた。
唇が離れ、お互いの吐息が漏れる。
「……ジ、ル様…」
榛色の瞳が、艶っぽく光る。
「イリア……貴女という人は……」
ジルは目を細め、少し苦しげにイリアの頬を撫でる。
「そのような目で見つめられては……もう抑えがききません……」
「……っ」
ジルはイリアの髪をそっとかき上げ、
あらわになったうなじに口づけをした。
「……はぁっっ………」
愛おしい人の唇と吐息が
敏感なところにかかり
イリアの口からは吐息混じりの声が漏れた。
ジルはそのまま
首筋に口づけ
たまに強く吸いながら
赤い花びらを散らせた。
「……んはぁっっ………んんっっ………あっ……」
それだけで
全身に甘いしびれが広がる。
「あっ………ジル、様ぁ………」
甘い啼き声をもらすイリアのブラウスのボタンに
ジルはさり気なく手をかけた。
徐々にあらわになる胸元に
ジルの唇が寄せられる。
「んんっっ………」
赤い花びらがまたたく間に散らされ
イリアの身体がピクンっと反り返る。
「可愛いですよ…イリア」
ジルの深紫の髪が胸元を撫でたかと思うと
今までの優しい愛撫とは裏腹に
力強く下着を剥いでいった。
「あぁっっ…」
あらわになる二つの頂きを見つめるジルは
「綺麗です」
そう呟き、舌を這わせた。
「ああぁっ……あっ……んあぁっっ……だ、めぇ……」
舌が頂きに触れるたびにピクンっ、ピクンっと身体が震える。
頂きの縁を舐め回しながら、指が繊細に弾いていく。
時折強くつままれるたびに、身体が強く反り返る。
「あぁぁっっ……や………ジル様、んあっ……」
それでも優しく、壊れ物を扱うようなジルの愛撫は
ゆっくりとイリアの身体を蝕むように
満たしていくのだった。
「あ……だめっ………あっ………ああぁっ………」