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【イケメン王宮】星の導きのままに。

第15章 王宮会議





「…おばあちゃんが?」

「ああ」



手紙に視線を落とし、読みふけるイリアを
穏やかな目で見つめてから

シドは黙ってその場を立ち去ろうとする。



それに気付いたイリアは


「シド」


「あ?…なんだよ」



「本当に……ありがとう」



振り返ったシドは一瞬だけ
とびきり優しい目の色をしていたが


意地悪な笑みをみせると、手をひらひらさせて
その場を去っていった。








シド。

もし、あなたと出会ってなかったら。

あなたと交わってなかったら。

あなたが、私を好きになってくれなかったら。



私は今ここにいない。



始まりのきっかけは

あなただったから。




ありがとう、シド。

本当に…。




イリアは
目頭にこみ上げるものを必死に抑えて

シドの大きな背中を
見送った。








***********



こうして

イリアは晴れて
正式に

ウィスタリアの宮廷星詠み師として
職位を賜ることになった。



……といっても現実的には
ジルの秘書という役職のままで



ルイやプリンセスが助言を求めた時だけ星を見ることにしていた。







それからまたたく間に

ルイの宣言式が行われ




王宮は慌ただしく

新しい夜明けの準備をしていたのだった。




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