第2章 愛ゆえに 長男 嫉妬 縛り 大人の玩具あり
優菜に声をかけようとした時
雅也の携帯電話の着信が鳴り響く
「ちっ誰だよ…」
舌打ちしながら電話に出る
「もしもし…」
「もしもし?兄貴?
優菜ちゃんのかばんとケーキ忘れてるよ!」
「ケーキ?なんの事だ?」
「え?まだ聞いてなかった?あれぇ?俺がバラしちゃった?」
「お前なぁ…俺に殴られたのに懲りてないらしいな」
「へへ…あれわざとだから!そうなるように挑発しただけ!」
「お前はややこしい事を…」
「兄貴の事だから優菜ちゃんにひどい事言ったでしょ?
兄貴もだけど優菜ちゃんも誤解してるぜ?」
「誤解…だと?」
「兄貴が女の人とジュエリーショップに居たのを見たって
優菜ちゃん泣いてたぞ?」
「…………」
「落ち着いた?兄貴は俺の事で頭に血のぼったら
見境なくなるからなぁ」
「ああ!」
「じゃあちゃんと話あいなよ!」
「ああ!」
「朝荷物届けるよ!」
「ああ」
隆也の電話を切った後
「優菜?ごめんな?これ外すけど
逃げないで話聞いてくれるか?」
「はい!…」
ネクタイをほどき
自分の着てるシャツを脱ぎ優菜にかけてあげる
「俺コーヒー飲むけど何か飲むか?」
「うん…ココア…」
「ふっオッケー」
笑いながら頭を撫でて
キッチンに行く
「はい!ココア砂糖たっぷりな?」
「ありがとうございます」
ココアを渡して
ベットの端に座る優菜の前にあぐらをかいて座り
真剣な表情で見る雅也
「ジュエリーショップで俺を見たらしいな?」
「はい!…」
「あれな…浮気でも何でもないから!」
「でも…女の人と…」
「あー…アレな!…アイツは男だ!」
「へ?」
ビックリしてココアが入ったコップを落としそうになる
「スーツ着た女が前に居ただろ?
俺の横にいたTシャツにジーンズ着た奴だろ?」
「うん!…」
「あの店なそのTシャツとジーンズ着た奴がオーナーやっててな!」
「そうなんですか?」
「ああ!ついでに言うとアイツは俺の弟なんだ!」
「隆也さんの下ですか?」
「ああ!3番目だな!アイツ髪の毛長いだろ?だから
いつも間違えられるんだよ!」
「そうなんですね!遠目だったから気付かなかったです」
「今度紹介するよ!必然的にそうなるだろうけど」
「え?」
「ジュエリーショップに行った理由な?」