第11章 謹慎 2
捨てられた仔犬の様な瞳で見つめる三成
(そんな瞳で見ないで・・・)
三成「駄目でしょうか?」
萩「だ、だめじゃ・・・な、いよ?」
パッと笑顔になる
(ああもう、しっぽがあったらぶんぶん振ってそうだよ)
三成「ありがとうございます萩様」
エンジェルスマイル全開で喜ぶ三成は右手で顎を持ち上げる
萩は瞳を閉じた
軽く触れるだけの口付けを落とし離れる
萩「あ、の、もう、いい?」
三成はにっこり微笑み顎から手を放す
ホッとしたのもつかの間今度は後頭部に手を回し引き寄せられた
萩「んんっ!」
開いた口の中に舌を忍び込ませ舌に吸い付かれた
三成「萩様はどこを食べても甘いですね」
そう言って左手で握っていた萩の手首にチュッと吸い付き痕を付けた
三成「ご馳走様でした
さて、そろそろ片づけを再開いたしましょうか」
それから二人は黙々と本の整理をした
途中で三成が本を読みそうになったりしたが何とか片づけは終了した
政宗「ご苦労さん、夕餉ができたぞ」
萩「夕餉?もうそんな時間なんだ」
政宗と三人で広間へと向かう
三成「萩様今日はありがとうございました」
萩「う、うん・・・た、沢山の本だったね」
政宗は三成と目線を合わせずに話す萩を不思議に思いながら見ていた
書庫が暑かったのか顔がうっすらと赤くパタパタと手で顔を扇ぐ
政宗「萩ぶつけたのか?手首に痣が出来てるぞ」
萩「!?」
サッと手首を隠し赤くなる
三成「政宗様それは怪我ではあ・・・・・」
萩「ま、政宗!?今日の夕餉はなに!私お腹空いたから早く食べたい行こう!?」
三成の言葉を遮り政宗の背中を押して広間へと小走りに去る
萩と政宗が広間に入り廊下に一人になった三成
(あの事は言ってはいけないのでしょうか?)
先程の口づけを思い出すと頬が緩む
(また食してみたいですね)
いつも以上のエンジェルスマイルで広間に入っていく三成だった