第10章 謹慎 1
信長「光秀貴様に萩の見張りを命じる」
光秀「俺ですか?
偵察などで城にいることがあまりないですが」
信長「もとはといえば貴様が萩を見かけた時に対処しておればこの様な事にならなかったのではないか?」
ジロッと睨む
光秀「ふっ、分かりました。見張りお受けいたします
萩行くぞ」
萩「は、はい。兄様行ってきます」
三成「いってらっしゃいませ萩様」
広間から去って行く光秀を小走りに追いかける
秀吉「光秀で大丈夫なのか?」
政宗「あいつ見張る気あるのか?」
家康「俺以外なら誰でもいいです」
それぞれがおもいおもい呟いていた
城を出て光秀は一旦、御殿へと帰って来た
光秀「俺はこれから隣町に行く
お前も着いてこい」
萩「お仕事ですか?」
(一人で潜入調査のつもりだったが丁度いい)
光秀「数日間の滞在予定だ」
二ヤッと笑いそう言うと僅かな荷物を持ち隣町へと向かった
村人「太郎さん家の準備出来てるよ」
村に着くと一軒の家を訪ねた
萩「太郎さん?」
誰の事かと小首を傾げる
村人「おや?そちらの可愛らしい女性はどなたですか?」
光秀「妻の桜です。どうしても離れたくないと泣かれまして」
萩「えっ!?」
光秀は振り向くと耳元で囁く
光秀「可愛い妻を演じろよ?」
(妻?演じる?これってお仕事なのかな?)
村人「仲がよろしいのですね」
ニコニコ笑顔で言われて
萩も笑顔を返し光秀に寄り添う
萩「はい、例え数日間でも離れたくなくて着いて来ちゃいました」
(ほぅなかなかやるな、ならば)
腰に腕を回し抱き寄せる
萩「た、太郎さん!人前で駄目です」
光秀「ああ、すまない。桜が余りにも可愛くて」
ニヤニヤと笑っている
(絶対遊んでるでしょ!)
村人「では、家に案内しますね」
村人の後をついて歩きながら腰を抱く光秀を睨むが光秀は飄々としている
村人「ここが太郎さんたちの家です」
萩「すいません暫くお世話になります」
光秀「さあ、愛の巣へ入ろうか桜」
萩「そ、そうね入りましょうか」
パタンッと戸が閉まり村人が去って行くのを待つ