第10章 謹慎 1
女中「失礼致します。城より萩様に書状が届いております」
萩「ありがとう」
受け取った文を開く
萩「達筆すぎて読めない・・・・・小十郎さん読んで頂けますか?」
小十郎に文を受け取り読み上げる
『萩、お前の謹慎を解いてやる今日中に帰って来い 信長』
萩「今日中に!?大変急いで準備しないと
小十郎さんは政宗に伝えて下さい」
小十郎「はい。」
少ない荷物をまとめ
帰る準備を終え小十郎に挨拶をする
萩「短い間でしたがお世話になりました。
また遊びに来ますね」
小十郎「お待ちいたしております。お気をつけて」
遠ざかる萩を小十郎は手を振り見送った
萩「ただいまー」
三成「お帰りなさいませ萩様
信長様が天守閣でお待ちです」
ニコニコ微笑む三成が出迎えてくれた
萩「分かった、部屋に荷物置いてくるね」
パタパタと部屋に駆けて行く
秀吉「こーら萩、廊下を走るな」
萩「ごめんなさーい」
部屋に入り荷物を置く
萩「走って汗かいちゃった。着替える時間ないし
髪だけでも括って涼もうかな?」
髪を上のほうでまとめてお団子を作る
萩「よし、こんなもんかな」
三成「萩様、そろそろ宜しいですか?」
萩「はーい、お待たせ」
政宗「髪、自分で結ったのか?」
萩「うん」
三成「萩様はなんでも出来るのですね」
そんなことを話しながら天守閣へと向かう
萩「ただいま帰りました兄様」
信長「萩、珍しいな髪を結ったのか」
信長に近づくと興味深そうに後ろから髪を見つめる
ふと項に赤い痣を見つける
信長「政宗・・・貴様手を出したのか?」
政宗「さぁ、何のことでしょうか?」
素知らぬ顔でとぼける
萩「兄様、手をだすって何?」
首を傾げて聞く萩を見て信長は溜息を吐く
(萩は気付いておらぬか・・・危機感が足らぬな)
露わになった項を見ながら酒に酔った萩を思い出す
(あの上目使いは良かったな今度酒を飲ましてみるか)
ニヤッと笑いよからぬ事を企む政宗だった