第10章 謹慎 1
萩「う~ん、よく寝た」
背伸びをして起き上がり隣の襖を開く
萩「秀吉さんおはようございます」
秀吉「・・・・・ああ、おはよう・・・」
徹夜でもしたのか眠たそうな声で挨拶をする
萩「もしかして秀吉さん寝てないの?」
近づくと心配そうに見上げる
体調悪い?と聞きながらおでこに手を当てる
萩「熱はなさそうだけど大丈夫?」
秀吉「だ、大丈夫だ!俺は元気だぞ」
よかったと微笑みウリと戯れだす
三成「秀吉様、おはようございます」
襖が開き三成が入ってくる
萩「おはよう三成君」
三成「萩様は秀吉様と一緒に寝られたのですか?」
秀吉、萩「「えっ!?」」
三成「褥が一組しか出ておりません、ご一緒だったのかと」
秀吉「ち、違う、誤解だ三成!」
萩「秀吉さんは徹夜でお仕事してたんだよ?」
三成「そうだったのですか。言って下されば私もお手伝い致しましたのに」
はははっと乾いた笑いを零す
それから数日間萩は秀吉の御殿でウリと楽しく過ごした
秀吉「萩、信長様が謹慎を解いて下さるそうだ」
萩「本当!あっ、じゃあウリとはサヨナラしないといけないの?」
膝にいるウリをギュッと抱きしめる
キィッ?(どうしたの?)
秀吉「また、いつでも遊びに来ればいいだろ」
萩「うん!ありがとう秀吉さん
帰る準備してくるね」
秀吉「寂しくなるなウリ」
帰り支度を済ませ見送りに来てくれた菊にお礼を告げる
萩「短い間でしたがお世話になりました」
頭を下げて秀吉と一緒に城へ帰り自室まで送ってもらう
秀吉「俺は信長様に報告をしてくる」
萩「あっ待って秀吉さん」
腕を引っ張り耳元で囁く
萩「ちゃんと起きてる時に口づけして?」
秀吉「えっ!!覚えて・・・」
萩は上目遣いに見つめ背伸びをし自分からチュッと口づける
唇が離れる前に秀吉は後頭部と腰に手を回し引き寄せる
『あれは男心を擽る顔だ見れば分かる、手を出すなよ』
信玄の言葉が蘇るが片隅に追いやり萩の唇を飽きることなく堪能するのだった