第8章 ツンデレなあなた
立ち上がった萩の格好に驚愕する
動きやすいように着崩している着物は
裾が捲れ白い長い脚が片方だけ太腿まで露わになっている
胸元も胸の谷間が見えるほどに開いている
「な、な、そんな、き、てんだ!?」
「?何言ってるの秀吉さん?」
「何でそんな恰好してるんだって言いたいんでしょ?」
「そうだ!?どういう事だ萩」
「ああこれ?男の人に・・・・」
「男だと?どこのどいつだ」
「兄様殺気が怖いよ。最後まで聞いてね
何かね甘味に食べに案内してくれるって言われてついてたら・・・」
「やられたのか?」
「やる?何を?」
「嫌悪い続けてくれ」
「??うん、それでね『泣く』ほど『楽しい試合』をしてくれるって言うから動きやすいようにちょこっと着崩しただけだよ」
「そうだったのですか。」
納得する三成を尻目に政宗、家康、秀吉が囁く
「『泣く』じゃなくて『啼く』じゃねえのか?」
「・・・『試合』じゃなくて『情事』ですね」
「はぁ萩が純粋で良かった」
「純粋と言うか鈍感でしょ?」
「あれ、萩様怪我をされたのですか?」
「ううんだって結局、謙信様達が出て来たから
試合はしなかったし」
「でも胸元に痣が出来ていますよ」
「胸に痣・・・・・あっっ!」
皆の視線が胸に集中する
「あの、これはね、えっと・・・・・」
「萩素直に答えろ
怪我じゃ無いってことはもしかして、か?」
真っ赤になりながらコクンと頷く
「誰?相手は」
家康は苛立ちを隠さず聞く
「・・・信玄様です」
「あの色ボケ武将め、俺の妹に手を出すとはな」
「俺も触ってもいねえのに2ヶ所も印しつけるとはやるな」
「何敵を褒めてるんですか」
「えっ、2ヶ所?違うよ信玄様がつけたのは右胸の1ヶ所だけだよ」
「はっ?じゃあ、左の痣は何だ?」
「やっぱりお怪我をされたのですか?」
「待ってちょっと待って」
えーと、馬に乗るまでは絶対無かったよね?うん無かった
と言う事はもしかして光秀さん?
嫌々そんな事無いよ、だって私に意地悪だし
んっ!?意地悪?
そう言えば最後帰る時『頑張れ』って
えっえっどういう事なの!?
次の日朝早くに光秀の御殿に乗りこんで行く萩
しかし、光秀の口から真相が語られる事は無かった