第24章 小谷城 5日目
佐助が萩を捜しに行って四半刻が過ぎたころ
部屋に入ってくる気配を感じ菻の意識は浮上した
菻「だ・・れ?」
「菻貴様、信玄と城を抜け出しなにをしている
そして今のこの状態はどう言う事だ?」
菻「けんしん?」
謙信「毒か?全く何をしているんだ」
言葉とは裏腹に優しく髪を撫でて微笑む謙信の姿があった
謙信「誰にやられた?いやそれは後だまずは解毒が先か」
菻「・・・ねえ・・にもつ・・・」
必死に言葉を紡ぎ荷物を見てほしいと動かぬ体で目線だけ萩の荷物を見た
謙信「これか?」
袋に手を伸ばし中身を確認すると紙に包まれた薬を取り出した
謙信「これは萩の荷物か?解毒薬・・・準備が良いな」
枕元に置いてあった水を手にし菻を抱き起した
謙信「菻口を開けろ」
薄く口を開く菻を確認したところで謙信は薬を自分の口に含み菻に口づけた
苦みに眉間に皺を寄せるが謙信は菻が飲みきるまで唇を離すことは無かった
菻「にが・・・みず・・・」
再び水を含み謙信は菻の口をふさいだ
ごくごくと謙信から与えられる水を飲む
菻「っは・・・・・・」
薬の苦みが去ったあと謙信に歯列をなぞりられ舌を絡められて甘い刺激に溺れていた
謙信「菻、暫く眠れ」
体のだるさが次第に遠のき謙信に頭を撫でられ心地よい眠りについた
萩「菻!」
菻が眠りについて直ぐに部屋に飛び込んで来た
部屋にいた謙信に驚くもすぐに横たわる菻のそばにやって来た
謙信「安心しろ薬は飲ませた」
萩「良かった・・・でも誰がこんな事」
佐助「八重姫だよ」
謙信「誰だ?」
萩「私が今お世話になっている小谷城主、浅井長政様の側室です」
謙信「側室ごときが菻に毒を盛ったと言う事か」
萩「申し訳ありません、菻と私が入れ替わったばかりに・・・
この落とし前はきっちり取らせていただきます
菻に手を出したこと後悔させてあげます」
信玄「天女を怒らせるとはその側室は気の毒だねえ」