第23章 小谷城 4日目
萩「わあ、見て下さい信玄様!湖がキラキラ光って綺麗ですよ!」
城下町を抜け出し信玄と二人で森の中にある湖までやって来た
信玄「ああとても綺麗だ、天女がね」
夕日に照らされ光る水面をみつめる萩の髪を一房持ち上げ口づけ妖艶に微笑んだ
萩「し、信玄様!私じゃな無くて湖です!」
信玄「ふふっ分かっているよ
さて、暗くなってきたそろそろ帰ろうか」
萩「そうですね。長政様も心配しているだろうし・・・」
信玄「ああそのことなら心配いらないよ
手は打ってあるからね」
萩「えっ?」
小首を傾げる萩にニッコリ微笑み自分が泊まっている宿へ連れて帰って来た
その頃小谷城では
八重「なんなんですのあの女!!」
お菊「落ち着いてください八重姫様!」
八重が怒りに震えていた
城下から帰って来た二人は周りの目も気にせずにべったりと寄り添ってまるで恋人同士のように微笑みあっている様に八重には見えた
が、真実は違った
「もうっしつこい!大丈夫だって言ってるでしょ!!」
長政「足を挫かれているのでしょう?私にお部屋まで付き添わせて下さい」
腰を抱かれて迷惑そうな顔をしているが長政は気にするそぶりは無く笑顔のまま歩いて行く仕方なくそれに従って一緒に歩くしかなかった
「はぁ・・・じゃあ部屋につくまでだからね」
部屋に着くと名残惜しそうに手の甲に口づけを落とし長政は去って行った
「面白そうだから信玄の話しに乗ったけどする事無くて暇!」
佐助「そんな君に吉報だよ
さっきのイチャイチャを見ていたお姫様が何か仕掛けてくるみたいだ」
天井から静かに降りて来た佐助は暇を持て余しているであろう人物に声をかけた
「えっほんと!嫉妬に狂ったお姫様がどんな嫌がらせをするのか楽しみ」
佐助「ほどほどにしないと後で萩さんに怒られるよ」
佐助の忠告にはいはいと返事をしたのは萩ではなく双子の妹の菻だった
菻「大丈夫だよ~上手くやるから」
しかしその日は何事もなく夜も更け
決戦?は明日に持ち越されることになった