第22章 小谷城 3日目
萩「安土ほどじゃないけど賑やかだな」
萩は城下町を楽しそうに歩いている
お城に居ると何処からともなく長政がやって来ては
にこにこと愛を囁いてくるしなぜか八重からは冷たい目で見られるし
居心地が悪くお城を抜け出し城下町を散策しているのだ
萩「あっ!可愛い」
露店に差し掛かった所で小物屋に可愛い簪を発見して座りこんだ
(せっかくだし菻にお土産買って帰ろうかな)
?「おい」
(簪も良いけど櫛も良いなあ)
?「おい!」
萩「え?ゆ、幸村!何でここに居るの!?」
幸村「安土に行ったらお前が嫁いだって騒いでてな
それを菻に言ったら『確かめてこい!』って煩くて来たんだよ」
はぁと面倒くさそうにため息を吐いた
萩「別に嫁いだ訳じゃないないよ
10日間お世話になってるだけだよ」
幸村「そうだろうと思った
お前みたいな猪女が
そうそう嫁げるわけねえよな」
萩「猪女じゃないって言ってるでしょ!」
赤尾「萩様ー!」
幸村と些細ないい争いをしていると赤尾がお城の方から走ってきた
赤尾「萩様!お一人でお城から出られては困ります!」
萩「でも安土ではよく一人で出掛けてましたよ?」
赤尾「しかしここは安土では御座いません
誰かと御一緒にお越しください」
萩「分かりました。
今日はもう帰ります」
ちゃんと菻に伝えといてね
と小声で幸村に伝え赤尾と城へと帰って行った
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幸村「違うってよ」
佐助「やっぱりただの噂だった様だね」
幸村「これで俺の仕事も終わりだな」
佐助「まだ仕事終わってないよ
信玄様に報告してくるから
幸村はここに居てもらわないと」
幸村「仕方ねえなあ
さっさと報告して帰って来いよ」
佐助「了解!」
そう言うとあっという間に姿を消した