第21章 小谷城 2日目
萩が着ているのは桃色のシンプルな着物
いわゆる町娘みたいな感じだった
萩「これはお城に居るお針子さんたちと仕立た物なんです」
にこにこ微笑み答えた
お菊「お城?貴方は城仕えをしているの?」
八重「まあ!では貴方は武家の出ではなの!?」
(う~ん何て言ったらいいのかな?)
悩んでいると廊下をこちらに向かって歩いて来る足音がした
長政「おはよう姫君」
八重「長政様!おはようございます」
部屋に入って来る長政に八重は満面の笑みで答えた
長政「直ぐに会いに来たかったのだが城を空けていたので仕事がたまっていて今になってしまいました」
八重「長政様・・・八重は嬉しゅうございます」
瞳を潤ませ嬉しそうに微笑む八重だったが次の言葉でその笑顔が凍り付いた
長政「会いたかった萩姫」
萩「私ですか?」
長政「ええ。皆に紹介いたしますので一緒に広間まで来て頂けますか?」
にこにこ微笑み手を引いて部屋から出て行こうとすると
八重「長政様!」
長政「ああ。八重姫もいたのか?
これから萩姫の紹介をする広間へ来なさい」
呆然とする八重を置いて長政は萩と部屋を出て行った
八重「なんですのあの女!」
お菊「八重姫様!兎に角広間へ行って見ましょう」
八重は肩を震わし怒りをあらわにする
我に返ったお菊は怒りが収まらない様子の八重を連れて広間へと急いだ
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先に行ったはずの萩と長政の姿は無かったが広間にはすでに家臣が揃っており八重は長政の席の左前に座った
家臣たちが居る手前騒ぐわけにもいかず大人しく待っていた
暫くすると長政が入って来た
長政「皆に紹介したい姫が居る
萩姫入ってください」
呼ばれて入って来たのは先程とは打って変わって
豪華な着物に身を包んだ萩の姿があった
長政「此方はかの有名な織田信長殿の妹君萩姫だ
信長殿よりお許しをいただき我が城に10日間滞在して頂くことになった!」
沸き立つ家臣たちだったが、八重の顔色は悪くなる一方だった