第21章 小谷城 2日目
女中1「姫様おはようございます」
女中が声をかけ部屋へ入って来た
萩「おはよう」
すでに褥も片づけ身支度を済ませた萩はにっこり微笑み挨拶をした
開いた窓から風が吹き栗色の髪の毛がふわふわ揺れ朝日をバックに微笑む
女中1「姫様はまるで天女のようですね」
萩「え?」
女中1「あっいえ、何でもありません!」
朝餉を置いて慌てて部屋を出て行く女中を小首をかしげて見送った
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台所では先程の萩の姿を興奮気味に話す女中の姿があった
女中1「聞いて、今度来られた姫様は天女の様な姫様よ!」
女中2「天女?」
女中1「そう!ふわふわの栗色の髪の毛で凄くお綺麗なの
全然棘が無くて柔らかく微笑んでまさに天女って感じなの!?」
女中2「朝餉の膳を私が下げに行っても良い?会ってみたいわ!?」
?「騒々しいわね何の騒ぎ?」
きゃきゃと話をしていると冷たい声が聞こえピタリと話が止まった
女中1.2「お、お菊様!申し訳ありません」
お菊「八重姫様の朝餉はまだかしら?」
女中2「此方にご用意できております」
お膳お菊の前に差し出しす
お菊「お話をするのは良いですがする事はして頂かないと困ります」
女中1.2「はい」
お菊「所で先ほど言っていた『天女』とは何なのです?」
女中1「き、昨日長政様がお連れになった姫様の事です」
お菊「昨日?どこから連れて来た姫ですか?」
女中1「私達ではわかりません。申し訳ありません」
お菊「そう・・・ではこれを持って来なさい」
女中2「はい!」
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お菊は小谷城にある側室八重の部屋で先程聞いた話をしていた
八重「その『天女』様はどこに居るのかしら?」
お菊「今は赤尾が城内を案内しているかと思われます」
八重「ではご挨拶をしないといけませんわね
お菊その『天女』をここへ連れて来なさい」
お菊「はい。かしこまりました」
お菊が部屋から出て行くのを見送った
八重「長政様から寵愛を受けるのは私だけで十分よ」
(可愛いだけで目をかけられた身分の低い姫に違いないわ
身の程を分からせてあげないと可哀相ね)
クスクスと笑いながら萩が来るのを待っていた