第19章 番外編 政宗の誕生日
政宗が仕事に出かけた隙を見て萩は政宗の御殿の台所で朝から料理に勤しんでいた
萩「うん。いい感じ!」
出来た料理の味見をして満足げに微笑んだ
萩「これをお皿に盛りつけてかんせーい」
この時代ではまだ珍しい牛乳が手に入りデザートも作った
萩「本当はケーキが作れればよかったけど流石に無理か・・・」
政宗「けえきって何だ?」
萩「政宗!?」
後ろから抱き寄せられて耳元で囁いて来た
萩「おかえりなさい早かったね」
政宗「ただいま萩
お前が待ってるのに遅くなるわけねえだろ
でだ、けえきって何だ?」
萩「西洋のお菓子だよ」
政宗「菓子か食べてみてえな」
萩「甘くてねふわふわでとっても美味しいんだよ!」
政宗「へーまるでお前みてえだな」
萩「っん」
顎を持ち後ろを振り向かされ口づけられた
ペロッと唇を舐めて離れた
政宗「やっぱ甘いわ」
萩「さっきデザートを味見したから・・・」
政宗「でざあと?」
萩「食後に食べる甘味の事だよ
お仕事してお腹すいたでしょ夕餉にしよう
膳運ぶから部屋で待ってて」
政宗「食後の甘味か・・・・・楽しみだな」
ニヤリと笑いながら台所を後にした
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萩「お待たせー」
部屋で待っていると膳を持った萩が入って来た
見たことのない料理に政宗は興味津々
政宗「この赤い汁は何だ?」
萩「トマトって言う赤い野菜で作ったものだよ」
政宗「赤を見ると家康の飯を思い出すわ
これは辛くねえよな?」
萩「少し酸味はあるけど辛くないよ?」
クスクス笑い大丈夫だと言うと飲んでくれた
政宗「ごちそーさん旨かった」
萩「お粗末様でした」
膳を台所に返しに行き部屋に帰ってくると政宗は障子を開けて横になり月を眺めていた
萩は政宗の横に座り顔を覗き込んだ・・・はずだった
政宗「今日は俺の誕生日だから何でも言う事聞いてくれるよな?
食後のでざあとに萩を食わせろ」
萩を組み敷き噛みつくような口づけを落とした
甘く蕩けるような一夜を政宗は心ゆくまで堪能したのだった