第13章 秘密
萩「行ってきまーす」
入り口に立つ門番に挨拶をし
簡素な着物を纏い城下町へと小走りに走っていく
信長「・・・・・」
その様子を天守閣から見下ろしていた信長
秀吉「信長様どうかされましたか?」
信長「最近萩は毎日城下に行っているようだが」
秀吉「はい。城下で友達が出来たと言っていました」
信長「女・・・か?」
秀吉「は?」
信長「相手は女なのかと聞いている」
秀吉「も、申し訳ありません友達としか聞いておりません!」
三成「私は男の子とお聞きしました」
信長、秀吉「「男!?」」
秀吉の後ろに控えていた三成が発した言葉に反応して二人の声がそろう
三成「はい。萩様好みの子だそうで毎日会いに行ってギュッと抱きしめたり一緒にお昼寝をしたりご飯を食べたりしているそうです」
秀吉「み、三成の聞き間違いじゃ・・・・・」
三成「いえ、確かに萩様からお聞きしました」
ニコニコとエンジェルスマイルで喋る
信長「秀吉」
秀吉「はいっ!」
信長の怒気を孕んで地を這うような声に背筋を伸ばして返事をする
信長「四半刻で皆を集めろ」
秀吉「御意!?」
天守閣から仕事部屋へと急ぎ各御殿に向け文をしたため使いを出す
(なんとしても四半刻で全員を集めないと!?)
三成「なぜ信長様は怒ってらっしゃるのでしょうか?」
焦る秀吉を余所に小首を傾げて考える
そして約束の四半刻後、無事に全員が広間に集まった
家康「いったい何の騒ぎですか?」
光秀「秀吉、戦でも始めるのか?」
政宗「萩は?」
三成「城下に出かけられております」
政宗「ああ、そういや八百屋で男と話してるの見たな」
ピクッと微かに反応する
信長「・・・・・」
家康「市で小物を売っている男と話をしているの見ましたよ」
ピクピクッと反応が大きくなる
信長「・・・・・・・・・・」
光秀「お前たちも見たのか?俺も3日続けて八百屋と小物売りの男と話をしているのを見たぞ」
ビキッと何かにヒビが入ったような音が聞こえた