• テキストサイズ

どうやら私は死んだらしい。【HUNTER×HUNTER】

第8章 君の理由


サトツさんが走るような速さで歩きながら、受験者に向け話し掛ける。受験者の多くは、彼の言葉の意図をはかりかねているように見えた。

「二次……?ってことは一次は?」

黒い服を着たスキンヘッドの男が、サトツさんに尋ねる。

『あれは……ハンゾー?』

こちらからでは後ろ姿がちらちらとしか見えないが、多分彼で合っている。気さくな印象の声が、余計にそうだと思わせた。

「もう始まってございます」

サトツさんが、少しだけ振り返り答える。

「二次試験会場まで私について来ること。これが一次試験でございます。場所や到着時間はお答えできません。ただ私について来て頂きます」

とうとう受験者全員が走り始める中で、先頭のサトツさんは悠然と歩きながらそう伝えた。

「なるほどな……」

「変なテストだね」

「さしずめ持久力試験ってことか。望むところだ、どこまででもついて行ってやるぜ」

クラピカ、ゴン、レオリオが、それぞれにこの試験への印象を口走る。
クラピカは、この試験によって試されるのが体力のみでは無いことを、今の発言で理解したようだった。

「ずっと走るだけってコトでしょ?たるいわ」

「そうかい?その分親睦を深められそうじゃないか」

「シンボクを深めるゥ?」

サキは、その言葉が似合わなさすぎる奇術師を眉を寄せ見上げた。

「そんな目で見つめないでおくれよ。興奮するじゃないか」

「変態は近寄らないでくれます?」
/ 130ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp