どうやら私は死んだらしい。【HUNTER×HUNTER】
第7章 一次試験、開始
ヒソカの発言に、場が凍り付く。
え?え?この人今なんて言いました?
一夜かぎ……
『サチ?』
サキの言葉に、私は震え上がる。じっと私を見る彼女の目が、痛みを覚えるほど冷たい気がした。
私はブンブンと、首を千切れんばかりに横に振る(勿論気分だけだが!)
『無い!無いです!神に誓って何もしてないです!!いやまぁそりゃああの日、と、次の日?ヒソカの部屋で寝落ちちゃってからの記憶は無いですけども……あ!そうだベルト!あのベルトの暗器(ナイフ)でヒソカの意表を突けたのが、何も無かったっていう何よりの証明じゃないですか!!!』
『スカートは最悪脱がす必要無くない?』
サキの発言に、私は思わず『ぶっ』とよく分からない物を吹く。私のHPは今の一言で一瞬にして空になった。
クラピカもレオリオも俯いてしまっており、ゴンが不思議そうに二人を覗き込む横で、ヒソカが一人、声を殺し酷く愉快そうに笑っていた。
「皆純情なんだからさぁ、からかわないであげてくれる?ってかアンタと一夜を共にしたって言えんならコイツ等もさほど変わんないし」
『サキ!?』
サキが薄っすら涙目のヒソカに向かい煩わしげに言う。そして親指を立て、ぐいとゴン達三人を指した。
「つれないなぁ。サチと君の身体には、僕が毎晩、手とり足とり、色々教えてあげたっていうのに」
『ヒ、ヒソカ!!?』
目眩がする。
二人の会話に、私は今にも倒れそうだ。
「そーゆーのを止めろって言ってんの。つーかサチが体術の指導頼んでなきゃ、アンタのとこなんて誰が通うかってのよ」
サキがそう言ってヒソカを睨むと、ヒソカはそれはもう愉しそうに口端を上げた。
「君のそういうところ、そそるね」
「アンタのそういうところ、逆に尊敬するわ」