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どうやら私は死んだらしい。【HUNTER×HUNTER】

第7章 一次試験、開始





『──その後は自然な流れで解散しました。食べ物を売店で買った、っていうのはその時です。服も洗って乾燥機にかけましたし……あとは、概ねいつも通りですね』

私は、パッケージに値札の付いたパンと牛乳を口に運ぶサキに、彼女が眠っている間に起こった出来事の話をした。

『つまりは予定通り、ってコトね。……でも、“私(サチ)じゃないから不快な思いをさせるかもしれない”なんて、ちょーっと失礼なんじゃないの?』

『え……?あ!すみません!決してサキを蔑んだつもりじゃ……!ただ、その、向こうが私(サチ)だと思って話しかけてくれたときに、思っていた反応と違う場合があるんじゃないかと思っただけで……』

『へーえ?』

『ホントですって!』

私とそんな会話をしながら、サキはちらりと腕時計を見る。
もう、6時50分だ。
サキはパンの最後の一欠片を口にし、牛乳でキュッと流し込んだ。




チン

エレベーターが一階への到着を告げ、扉が開く。
入口の方で、何やら人の声がした。
サキはそちらの方に視線を投げ、エレベーターを降りる。

『あたしが最後みたいね』

「サチ!」

こちらに気付いたらしいゴンが、タタッと駆け寄る。そして私達を僅かに見上げ、ニッと笑った。

「おはよう!良かった、来てくれたんだね」

「……おはよ。坊やがゴンね」

「サチ……?」

やはりゴンも違和感を持ったらしく首を傾げる。
サキはそれを気に掛けず、他の三人に歩み寄るついでに一度、ゴンの肩に触れた。ゴンから不思議そうな視線を感じる。

「おはよう、旦那さん。昨日はサチが世話になったわね」

「なぁに、大した事はしてないさ」

旦那さんが目を線にして微笑んだ。旦那さんとは対照的に、隣に並ぶレオリオとクラピカは訝しげな顔をする。

「どうしたってんだ?他人事みてぇに」

「あぁ」

サキはレオリオの顔を見て、確認するように指を差した。

「ヤクザ顔のアンタはレオリオね。で、そっちのジェンダーレス男子がクラピカ」

「ヤ……!?」

「ジェン……?」
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