第1章 ツキノ寮の管理人
「ほら、この大量の荷物運ぶの手伝うから行くよ」
私のその言葉に、今まで打ちひしがれていた恋はそんなまさかと言わんばかりの顔でこちらを見上げた。
「えっ…こはね今なんて?」
「だーかーら!運ぶの手伝ってあげるって言ってんの!あんたも早く立って!」
既に恋の荷物を両手で抱えた状態の私を見た恋は、みるみるうちに瞳がキラキラしていく。
「めっ……女神…!!急にこはねが女神に見える…!!」
「ありがとう。でも報酬はしっかり払ってもらうつもりだから」
「ちゃっかりしすぎだろ!要求は何なんだよ?」
「高級ホテルのデザートビュッフェで手を打とう」
「手を打つレベルじゃないんですけどそれ」
「知らん」
「っ……こはねの鬼!!!!悪魔ぁあああ!!!!!」
恋の断末魔が、ツキノ寮に響いたのだった。
◆おまけ◆
ホテルにて。
「ちょっ、こはねあれめちゃくちゃうまそう!!」
「うわマジだ!!やっぱホテルのデザートビュッフェはクオリティはんぱないね!」
「これで自分がお金を支払わなくて済んだらもっと最高なのになあ…」
「いや今日は私は財布絶対出さないから。そこんとこよろしく」
「くっ……いいよいいよ!今日は俺に全部任せとけ!!」
「ヒューーーー!男前~!!」
「(もう絶対荷物は放置しない…!!)」