第7章 管理人はたまに定時で上がれない
「(あ〜暇ですな)」
私は今日もエントランスのカウンターでお仕事。
と言っても、今日はもう事務的な事は午前中にぱぱっと終わらせてしまった為、立ってるだけだけど。
今日も平和に定時上がり出来ちゃいそうだな。
すると、エレベーターの到着音が聞こえた。
出てきたのは…始さんだ。電話してる。
「インフルエンザで…?そうなんですか…」
始さんは通話しながら扉に向かって歩いていく。
何か深刻そうな顔してんな、ハプニングでもあったんだろうか。
「代わりの人…ですか………」
始さんがカウンターの前に差し掛かった時に、目が合った。
私は始さんがそのまま扉の外に出ていくもんだと思っていた私は始さんに軽く会釈をする。
しかし、始さんは
「…こっちからも1人、なんとかなるかもしれません」
出ていかずに、私の腕をがしっと掴んだ。
「!?!?」
「はい…はい。分かりました。では、失礼します」
始さんは、電話を切ったかと思うとまたどこかに電話をかけだした。
ちなみに私の腕は掴まれたままである。
「あ、お疲れ様です。巡回中に申し訳ないのですが、今からちょっと数時間桐島を借りたくて…はい。じゃあ宜しくお願いします。失礼します」
ちょっと待ってください。
私の平和な定時上がりを乱すようなフラグが立った気がする。
「こはね」
「な、なんでしょう始…さん…」
「行くぞ」
「えっ、ちょっ始さん…行くって…待っ…どこにいいいいぃいい!!?」