第4章 管理人はたまに送迎係
「こはねの車は小さくて可愛いねえ、始もそう思わないかい?」
何故私は車を運転しているのか。
「…軽だからこんなもんだろ」
そして何故、駆・恋・新・葵・春さんを率いるSix Gravity【シックス グラビティ】のリーダー睦月始さんと、
「私の自前の車出してんですから我慢してくださいね隼さん」
涙・郁・陽・夜・海さんを率いるProcellarum【プロセラルム】のリーダー霜月隼さんを車に乗せているのか。
その理由は、1日前に遡る。
「こはね!ほんっとうにスマン!!」
エントランスのカウンターの前で、Procellarumのマネージャーの黒月大さんが私に向かって両手を合わせている。
どうやら明日、どうしても始さんと隼さんの送迎が出来ないらしいのだ。
元々2人を年中組と一緒に送る手筈だったけど、年中組のロケ地が急に変更した為場所の関係で同時に送る事が出来なくなってしまったらしい。
更にSix Gravityのマネージャーの月城奏さんも明日は別件で出払っていて、そんなこんなで、18歳の頃に免許を既にとっていた私に白羽の矢がたったのだった。
確かにツキノ芸能プロダクションの出世株でもあるグラビとプロセラのリーダーを電車に乗せて行かせるわけにも行かない。
タクシーに乗せることも出来るが、おそらく顔見知りの運転の方がアイドル側も安心するだろうという黒月さんの気遣いだ。
「あー、まあ今日は特に発注とかも無いですし、警備員さんにカウンター立っててもらえるのなら大丈夫ですよ」
「すまん!!ほんっとうに助かる!!警備員さんには俺から話つけとくから!それじゃあ俺はこれから仕事があるから行くわな!!」
「はーい。お気を付けて~!」
「こはねありがとう!!この恩は必ず返す!!」