第1章 ツキノ寮の管理人
《プルルルル》
《プルルルル》
桐島こはね。20歳
「…………」
どこにでもいる普通の女です。
「…………」
ただし、
『 はいはーい!どしたのいきな…』
「恋!!!あんたの荷物かれこれ1週間前から届いてて邪魔!!早く取りに来いボケ!!」
職業、ツキノ寮管理人。
『こはねこっっわ!思わずベッドから落ちたじゃん!!』
「てめえ家にいるくせに荷物取りに来ないとはどう言うことだよコラ」
1階のエントランスの隅には、主に品名はプラモデルと書かれた恋宛ての荷物が積まれていた。
『いやあ~今部屋に置き場所無くてさ、それで整理するまでの間エントランスに置いといてもらっちゃおうかなと思いまして…』
「1分以内に降りてこないと1つ残らず燃やす。それでは失礼致します」
『えっ!?ちょっ…待っ』
「さいなら~」
そう言って私は通話を切る。
切る前に「アルティメットブラックウイイイイング!!」とか何とか聞こえたけど知らん。
ライターはどこにあったかなと探していると、物凄い勢いで階段を降りてくる音が聞こえてきた。
「こはね!!!」
「おう恋。やれば出来んじゃん。42秒」
階段をものすごい勢いで降りてきたこいつは如月恋。
私の一個下でくそ生意気なピンク頭野郎だ。
「数えてたんかい!!ちょっ…俺の荷物は!?限定モデルとか、買い損ねたら手に入らないものも入ってるんだけど!」
「そんな大事なら置き場所があろうがなかろうが取りにこいやボケナス」
私は冷ややかな目で恋に罵声を浴びせると、恋は逆にドン引きした目で私を見てきた。
「ちょっ…口悪すぎて引くわ!!ドン引きだわ!!」
「あんたにドン引かれても痛くも痒くもないわ!!」
「このーーーー!!」
私と恋は睨み合う。ついでに私は恋の胸ぐらを掴んでいる。
まっ昼間からデュエルスタンバイである。
今にも殴り合いが始まりそうなそんな時、エントランスの扉が開いた。